「あのね、あたしたち皆さんに聞いてほしいことがあるの。」

「父さんと母さんはあたしたちに何か隠してると思うの。
だって最近あたしたちだけを島に残してやたらと東京に行くし、
戻ってきたと思ったら、なんか知らない犬のニオイがするの!!
絶対おかしいの!・・・」
「つまらないから枝でもかむの。」

「だって、3月3日はあたしが父さんと母さんの子になった記念日だったのよ。
それなのにあたしはクストーと島で留守番だったの・・・! ひどい。
普通は、ウチの子になってくれてありがとうね、とかプレゼントくれてさ、
感動の日になるはずじゃない? それが、クストーと留守番よ!?」
「あ!」

「枝かむより面白いことがあったわ。」
クストー狩り!

「クストー!あんただって、最近の父さんと母さんヘンだと思うでしょ?!」
「・・・え? ぼく? よくわかんないけど・・・」

「確かに父さんと母さんが島にいる時間はすごく減ったような・・・」
「まったく!あんたはビビリな上に鈍感なんだから!」

「男なんだし先住犬なんだから、もっとシッカリしなさいよ!」
「もっともっと父さんと母さんにアピールしなくちゃ!
じゃなきゃ私たちに物足りなくなって、また次の犬なんかもらってきちゃったらどうするのさ?!」

「男だったら一歩さがって遠慮がちにしてる場合じゃないのよ!」
「まあでも、もう手遅れかもしれないわね。。。
だって毎回同じ犬のニオイがするもの。だとしたら、あたし達で力をあわせて、父さんと母さんを取り戻すわよ!いい?わかったの?」

「うん。ぼく、ロビンの言うとおりにするよ。」
「・・・父さんと母さんはあたしのものよ・・・ムニャムニャ・・・」

ロビン!
物足りなくないよ。足りてます。満ち足りてます!
まだ1年しか経ってないのが信じられないぐらい、どっぷり家族です。
でも初日の夜のロビンの不安そうな姿はきっとずっと忘れられないよ。
ちっちゃな身体で必死に現実を受け入れようとしてる健気な姿。
おトイレだって初日から失敗なくシートで出来たし、ご飯もペロリとたいらげた。
SITとSTAYだって数日で完璧に出来たよね!
はじめて子犬じゃなくて成犬を迎えることで父さん母さんは実はかなり気張ってたんだ。きっとお互いに慣れるまで大変だろうから頑張ろう!って。
だから拍子抜けした。
なになになになに?! こんなスムーズで良いの? こんな楽で大丈夫?
どうしよう、なんか忘れてない? 見落としてない??
・・・そんな感じで1週間。
1週間ですっかりしっかり家族になった。
犬ってすごい。成犬って人間なんかよりもずっとずっと「人間らしい」んだ。そう思った。ロビンは私たちなんかよりずっとずっと強くて、わかっていた。
でもしばらくは、家の中では借りてきた猫のように静かなのに、一歩外へ出れば
「ぷーさん」のことを探して小柄な女性を見つけては走り寄ろうとしてけどね。
クストーにも感謝しないとね。
ロビンがあんなに早く馴染んで、のびのびとできたのはクストーのおかげ。優しい優しいクストーの。
狩られても般若顔されても嬉しそうにしてるクストー。
クストーもやっぱり私たちよりもずっと大人だった。
というわけなので、ロビン、クストー。
お察しの通り次の犬が登場するのだよ。。。
何も心配してない、なるようになる。 3匹でカタをつけるでしょ。今回は最初からそう思ってる。
3匹の順位予想?
母ちゃんとしての想いはあるけれど・・・
まあ、もう見えてるね。
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